PHSについて

 PHSとは、「パーソナルハンディフォンシステム(Personal Handyphone System)」の略である…ということは説明するまでもないこと、と思っていたのだがどうやらそうでもないらしいので、一応、書いておく。

 実際、地元の叔母にはPHSという単語すら通じなかった。説明したら「ピッチのこと?」という衝撃的な返答が…。そう、「パーソナルハンディフォンシステム」の略が「PHS」で、さらにその略(というか俗称)が「ピッチ」、という複雑怪奇な階層構造(?)である。
 一般にPDCやcdmaOneなどの通信移動体を「携帯電話」と称し「PHS」とは区別するのも、わけがわかっていない人の混乱を助長するものになっているようだ(まあ、そういう人は「携帯できる電話機」をすべて「携帯電話」だと思っているんで…気持ちはわかるし、広義的には確かにそうなんだけど…)。

 では、以下にPHSの特徴をかいつまんで。(この辺のことを詳しく知りたい人は、もっと詳しいサイトへGO!)

 PHSのそもそものコンセプトは、「外でも使えるコードレスホン」。いわゆるデジタルコードレスホンの「子機」をそのまま外出先で使えるようなもの、として設計されたシステムらしい。使用周波数は1.9GHz帯。PDCなどに比べると周波数が高いので、比較的、電波が回折しづらく障害物に弱い…のだそうだ。ただ、800MHz、1.5GHz、1.9GHzでどのくらい差が出るものなのかは不明(第3世代携帯電話は2GHz帯を使用するらしいけど…)。

 また、基地局ひとつの有効範囲が狭いので、数百メートル単位で基地局を設置する必要がある。
 それによって生まれるメリットは、出力が少なくて済むので端末のバッテリーが長持ちすることや、端末の位置情報を細かく見て取れるので位置情報サービスに向いていることなど。
 逆に、デメリットとしては、移動しながらの通話に向かない点や、基地局を密に置かなければ使用できないスポットが生まれてしまうという点などがあげられる。

 他にも、音声の伝送速度が32kbpsと高速なので、音声品質が良く、遅延がほとんどない(裏を返せば、音声品質が悪く、タイムラグが生じる通信移動体が存在するということ)ことや、データ通信が32〜64kbpsという高速通信(PDCは9,600bps、PDCPで28.8kbps)を実現していることなどが、PHSの特徴といえる。

 箇条書きにすると、以下のような感じである。

…なかなかのスグレモノということができる。

 で、現在、そのPHSを使ったサービスを提供しているのは、NTTドコモグループ、DDIポケット株式会社、アステルグループの3事業者。
 このページでは、その中のひとつNTTドコモグループのPHS=Paldioをメインに取り扱っていく、というわけ。


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